水圧転写をご存知ですか? 水圧転写とは
水圧転写とは水面に絵柄フィルムを浮かべ、絵柄を付ける材料を上から沈めて材料に絵柄を転写させるシステムです。
複雑な形状でも水圧が均一に掛かる事を利用して絵柄を付ける事が出来ます。
一般的に良く見るものでは車の内装に使われている木目調のパネル等に水圧転写の技術が使われています。
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水圧転写の特徴
●水圧転写の特徴としては2次曲面だけでなく、3次曲面へ転写が出来ること。
上の動画を見て頂いても分かる通り、フィルムを溶かすことでシールやラベルとは次元の違う柔らかさになり、まるで液体のようにトロトロの柔らかい状態で転写を行いますので、通常では不可能な3次曲面にシワなく転写加工が出来ます。
※いくら柔らかいからといって、90度直角の角部分など、極端に角度のキツイ部分ではシワが出ます。
水圧転写で苦手な加工、不向きな加工としては歪みの目立ちやすいデザインや位置決めを必要とするデザインです。
上記でもご説明した様にかなり柔らかい状態となりますので文字やマーク、直線ラインなどは歪みが出やすくなります。
水圧転写の加工で、木目やカーボン調といったデザインが多いのはこの為です。
※↓深さ方向へのデザインの伸び(自動車ミラー加工サンプル)下方向へ柄が伸びているのが分かります。
●転写後はフィルムが貼りついているのではなく、フィルムに印刷されていた「インク層」だけが転写されて残ります。
シールを貼っているように転写フィルムを貼り付けている、と思われることが殆どですが間違いです。
インデクトの水圧転写システムではその名の通り、「転写」されます。貼り付けではなくインクが転写されるという事です。
分かりやすいように以下のものを用意しました。
プラスチック(ABS)に転写をしたものと紙やすりです。
通常はトップコートで仕上げますが、こちらはまだ転写をしただけの状態の物です。
紙やすりで削るとインク層が削れて徐々に下地が出てきます。
素材に対してインクだけが転写されているというのがおわかりでしょうか?フィルム層というのは残っていません。
水面に浮かべていた時のフィルム層はどこに行ったのでしょうか?
それは、転写後の水洗いで水に溶けて洗い流されたのです。
フィルム層は転写をするまでのインクの支持層であって転写後には無くなります。
画像内でバラの模様の周囲は白色ですが、この部分はフィルムもインクも載っていない、下地が残っている状態です。
シールのような物を貼っているだけであれば端からめくれて来るのではないか?というような心配もあると思いますが、めくれて来るようなフィルム膜自体が存在しません。
ただし、「水圧転写=剥がれない」ではありません。
しっかりとインクを定着させるためにはそれなりのノウハウもありますし、素材との相性は事前の試作にて確認、調整が必要です。また、転写そのものがしっかりと定着していても、転写の下地の塗装や上塗りの塗装が密着していなければ塗装膜から剥がれてしまいます。
以下が概略図になります。 ※この後インク層の上にトップコート(クリア塗装)で保護します。
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